#Black Lives Matter 運動からCHAZ へ
町山智浩さんという映画評論家をご存知だろうか。
かれの「アメリカの今を知るTV with CNN 」というBS朝日をよく見る。
昨日はいま、アメリカを賑わせている Black Lives Matter 運動から展開した、ワシントン州シアトルのCapitol Hill (キャピトルヒル)自治区への興味深いルポを見た。
放映分の一部が、youtube で確認できる。
ざっくり説明すると、
SNS 上でトレンドにもなっている、#Black Lives Matter 運動とは、警察当局の差別的な過剰な攻撃から失われ続けるアフリカン・アメリカンの人命軽視に抗議する運動のことである。2013年ごろから世界中で拡散されてきたが、先日アメリカで起きたGeorge Floyd さんの死を悼み、いま全米各地で抗議活動が急速に展開している。
このキャピトルヒルで、いま何が起きているか。なんと、警察が夜逃げしたので、市民はみずから安全で平和な自治区を築こうとしている。
CHAZ : Capitol Hill Authorized Zone の発足である。
もともとこの地区でも起きていた抗議デモを、警察は(一部暴徒の動きもあったためか)催涙スプレーや閃光弾を使用して抑え込もうとした。が、その弾圧ぶりが SNS で拡散され、警察には12000件もの抗議電話が寄せられただけでなく、デモ参加者は増える一方となった。デモ人口が増えて焼討ちや殴り込みを怖れた警察は、6月7日深夜に一斉に抜け出して警察署を放棄した。もぬけの殻となったのである。※デモ隊が過激化したのか一部暴徒が混じり込んだのか、そこらへんは未だ不可知かな。
ここで、下手に警察署を破壊したりすれば警察退去に口実を与えかねない。そうした展開には断固としてするまいと、いま驚くような自治ぶりが展開している。
上空から見た、Black Lives Matter の飾り文字。
いま日本語では、「黒人の命も大事だ」と訳すのが主流だ。
Youtube 内にもあった警察署の看板
Police Department East Precinct の Police の文字が People に塗り替えられている。
力強いスローガン。
この展開の落としどころはどこになるのか。
インタビューでも問われていたが、だれも判らない。
ここで、商店を破壊したり商品を略奪したりの暴挙はどうなっているのかというと、差別に反対するデモ隊と、こうした破壊・略奪行為をくりかえす暴徒は別物であるとみなすべきだと町山さんはツイートしている。組織立って動いているかどうかもわからない。機に乗じたお調子者・狼藉者とみるべきではないだろうか。
事実、この自治区では紹介されたものだけでも
- 寄付を募って回収した商品は、だれでも入手してOK (売買一切しない)
- 無料で個人で、欲しい方のために料理を作るブース
- 無料で個人で、貸しだす図書館(差別に関する書籍)
- 人種差別のために命を落とした方々の祭壇
- 専門性を生かした相談窓口
まさに、人々が大洋を超えて辿り着いた大地に、さいしょに町を切り開こうとした当時のフロンティア精神にあふれている。すごいなぁ。
市当局はこれをどう見ているのか。
ここが興味深い。CNNの報道も交えて報じられた程度だったが、現市長は民主党の女性だけあってトランプとは対立しているし、トランプがデモを怖れて核シェルターに逃げ込んだことを揶揄しているところからして、この自治区を弾圧する気配はなさそうだ。
※ご存じのとおり、トランプは差別主義的だもの……
この先どんな展開になるのだろう。
目が離せない気がする。
自治区側の人々は一様にマスク姿で、トランプ陣営のサポート側は皆 no mask 。
これもまた徹底していて面白い^^;
本日のつぶやき : 大人しく暴れない日本人・暴徒もいるけど画期的な行動に出る米国人。堪えて耐える日本人と、逞しく生き抜く米国人。さすがは移民の国だ。