お独りさま・始めてみたら快適じゃない!?

single again……独りで生き抜くよ♪ 毎日もがいて迷い悩みうろたえ生きている。自分と向き合うための記録。

世界史のロマンをもう一度

いまの世代はどうか知らないが、
わたしが高校生のころは、
理科2種・社会2種および英・数・国の7科目が
受験科目だった。


わたしの場合は、生物・化学、倫理・世界史を専攻している。
1年のうちに、巨大範囲となる世界史か日本史を専攻しておかないと
試験範囲が膨大かつ詳細すぎて、とうてい間に合わない。


一応、進学校にいたので受験科目はしっかり学ぶが、
それ以外は、ひざの上で内職をするのも黙認されていた。
本音をいえば、
まじめに授業を聞きたくなる先生方はたくさんいらしたのに。
いま思えば、まことに惜しいことをした。



異色を誇った先生方

生物の先生は、遠くアフリカまでゴリラを追いかけ、森を分け入るらしい。
目をキラキラさせながら、ゴリラの生態をたまに語られた。
小柄のわたしとかわらぬ小柄な、女性だった。


倫理の先生は、やたらとおっかない。
ほかの宗教や哲学の語りではふつうに板書されたのに、
なぜか「イエスの愛」を語るときだけは、
直立不動、やや小首をかしげ、身体の真ん中にマイクをもって(なぜかマイク💦)
淡々とした口調ながら、延々とイエスについて語られた。


「えー!? また今日もイエスなの?」
イエス月間か!? 
と思うくらい、イエス期間は長かった。
それなりに面白かったので退屈しなかったが、
授業中に片肘でも付こうものなら、どやされた。
イエスの話(だけ?)は、両手をヒザに置いて聞かされた。
板書もノート取りも要らないのだ。
シンプルな教えなのに、耳にタコができるほど聞いたから、
覚えこんでいる。



でも、一番好きだったのは世界史の先生だ。
ご自身が、ほんとうに世界史のロマンをとことん愛しておられるのが
雄弁に熱く、しみじみと伝わってくる授業だった。
それこそ板書のないときは片肘ついて聞いていたが、
むしろ聞き惚れていたといっていい。
だから正直いえば、聞き方の姿勢なんて関係ない。聞き手の本音だ。


この先生のお話がすべて時系列できちんと記憶できたらいいのに。


残念ながら世界史は手ごわい。
テキトーに学んでも9割近いスコアがとれる倫理に対して
その3倍以上の学習時間を投じても、7割とれないのが世界史だ。
こころが折れそうになる。


受験を終えてからも、わたしは切望していた。


この先生の授業をもっと聞いていたい💗
でも卒業してしまうと、それは叶わない。



もっと学びたかった世界史

そう思って、大学でもあえて一般教養では世界史をとった。



だが、コケタ。








大学の世界史では、「十字軍」しか取り扱わなかった。
一般教養という範疇の選択科目なのに、なんたる手抜き!


ご自分の研究内容をだらだらと垂れ流すだけの講義だった。
それでもまだ、面白ければ救われた。
失敗に次ぐ惨敗のあの十字軍の、いったいなにが面白いのか。
なぜあの時代の、あのエリアを研究対象に据えられたのか。
それさえ伝わらない退屈さだった。




いまの大学はかなり改善されたと聞くが
80年代のうちの大学はかなり酷いものだった。
期待していた専攻の授業でさえ、
テレビ放映された録画だけで済ませる教授もいた。
見ての解説もなし。
授業料を返してくれ。






後年、十字軍と敵対していたオスマントルコ側から描かれた
「オスマン帝国外伝」のドラマを見るようになって
もちろん史実とは異なる創作ではあるが、
あの世界史の先生の授業を思い出すようで、
それが毎日、なによりも楽しかった。


十字軍には個人的な恨みさえあったから(逆恨みだけど^^;)
なおさら優れたオスマントルコ軍の快進撃が心地よかった💗






残念ながら、いまは辛い現実があって、
もうそのオスマン外伝を見る気分になれなくなっているけれど💦
シーズン1から見直す手はあるけど、ハマり過ぎてほかの事ができないのだ。




で、いまは中東について、もう少し学ぼうとしている。
長くなったので、また後日。



本日のつぶやき : 語りには最低でもパッションが欲しいのよー






まったく蛇足だけど
ベルリンにある、巨大なイシュタル門や、



美しいネフェルティティの胸像を見ては、


先生の講義をぼんやり思い出していた。
見るべきものは山のようにあるのに、
あまりにも素晴らしすぎて、
ずっと眺めていたくなるんだよね。



略奪行為は許されないことなのに、
その一方で、
ここで、こうして大切に保存されていてよかったとも思った。




後日のつぶやき : 先生の「日曜世界史」みたいな講義が公民館や
        カルチャースクールとかであったら、絶対に通ってたよ。

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